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相対性理論 『ハイファイ新書』 

相対性理論 『ハイファイ新書』

2009年1月7日

相対性理論というバンド名。なんとも、なめた名前である。
良識ある人であれば、この時点で、聞く気が失せる

さらに、ファーストは、『シフォン主義』というタイトル。どうやら資本主義をもじっているらしい。

シフォン主義シフォン主義
(2008/05/08)
相対性理論



それで、今回の作品、『ハイファイ新書』。これは、解体新書をもじっているらしい。
江戸時代に杉田玄白が著した解体新書を。

ハイファイ新書ハイファイ新書
(2009/01/07)
相対性理論

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当然、聞く気が失せる
うわーイロモネア以上に、イロモノのバンドだ
と回避したくなる。


さらに、曲のタイトルも、なめきっている。

1. テレ東
2. 地獄先生
3. ふしぎデカルト
4. 四角革命
5. 品川ナンバー
6. 学級崩壊
7. さわやか会社員
8. ルネサンス
9. バーモント・キス

一曲目から、「テレ東」。。。
 
全く感情移入などできない。
聞く気が失せる
ま、確かに、フジテレビとかよりはましだが。
とか、考えていると、
実は、日本語のチョイスが絶妙なのではないかと思えてくる。

そこで、色眼鏡を取り払って、冷静に聞いてみると、
実は、巧い。テクニックがある。
そして、このシュールかつ、ピンポイントな日本語のチョイスが合わさると、
たまらない傑作を生み出すことができるのである。

それが、『ハイファイ新書』
なかんずく、4. 四角革命は、秀逸である。

相対性理論のヴォーカルは、アニメ声なのだが、
それが「四月革命」では、これほどなく完璧にマッチしている。
というのは、「四月革命」の歌詞は、かる〜いSFの世界を表現していて、
ヴォーカルのアニメ声と絶妙にシンクロする。


曲自体は、ギターのリフがもたらす疾走感を存分に感じる事ができ、
そこら辺の音響系の曲よりも、格段に優れている。

この疾走感が、歌詞のリズムの小気味よさと、これまた絶妙にマッチする。

例えば、「四月革命」の歌詞を取り上げると、

四角カクカク革命前夜の 長いあいあい間のロマンス
近いカイカイ開戦前夜に やってくるくる車の行列
兎角カクカク革命前夜は 街のにぎわい恋のロマネスク
奇怪カイカイ開戦前夜に 迫りくるくる狂った結末

1行目と3行目、2行目と4行目がそれぞれ韻を踏んでいて、
この歌詞の韻が、疾走感のある音と供に流れてくるのだから、
これは、非常に気持ちよい。
しかも、アニメ声で!


思えば、パフュームも、当初はイロモノだった。
それが、いまや、紅白に出てしまうくらいに受け入れられた。
相対性理論は、音楽的には異なるが、
イロモノだが素晴らしい曲をつくる萌え系という意味では、ポスト・パフュームと言えなくもない。
ただ、テレビ等のメディア露出が、あればの話だが。。。


本人達はいっさい出ていないが、違う意味でのメディア露出が9月1日にあった。
それは、NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」という番組である。
本来、この番組は大学教授に爆笑問題が訪ねていき、話をするという趣旨だから、
相対性理論という言葉が、アインシュタインが発見した理論という意味でなく使われるはずがない。
しかし、バンド名として相対性理論が、ある人物から発せられた。

その人物は、坂本龍一である。
今回の番組では、坂本龍一と爆笑問題が音楽を勧めあうという趣旨で、
坂本龍一が紹介したのは、13世紀の古楽から始まり、アフリカやアイヌの民族音楽という
なんとも“教授”らしいチョイス。

しかし、やがて、坂本龍一は、ふと「相対性理論って知ってる?」という。
「おもしろいよ。テレ東ていう曲なの」とか言って曲紹介したのである。

相対性理論を坂本“教授”が聞いていた事に、私は衝撃であった。


ハイファイ新書ハイファイ新書
(2009/01/07)
相対性理論

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『今夜はブギー・バッグ』 

TOKYO NO.1 SOUL SET + HALCALI 『今夜はブギー・バッグ』


ダンスフロアーに華やかな光〜」で始まる曲。

日産CubeのCMに採用された曲である。


先日亡くなった赤塚不二夫の画に、流れてる曲が「今夜はブギー・バック」だ。

「今夜はブギー・バック」はもともと、小沢健二スチャダラパーが1994年に発表し、大ヒットしたナンバーである。いわゆる渋谷系の音楽である、日本におけるラップのパイオニア的作品だ。



その「今夜はブギー・バック」が今風にカヴァーされ、CubeのCMに使われた。

そして、遂に、やっと、TOKYO NO.1 SOUL SET + HALCALIの『今夜はブギー・バッグ』が、9月23日にCDシングルとしてリリースされる。

今夜はブギー・バック今夜はブギー・バック
(2009/09/23)
TOKYO No.1 SOUL SET + HALCALI




当初はCD化される予定は無かったようだが、やはりリクエストが多く寄せられたのだろう。


「今夜はブギー・バッグ」は、様々なミュージシャンが賞賛を惜しまない。
宇多田ヒカルもライブで歌う。
最近では、Krevaがカヴァーしている。

このKrevaの「今夜はブギー・バッグ」、PVでは、いまや大人気の佐藤健が主演!

ジョン・カサヴェテス 『フェイシズ』 

『フェイシズ』 Faces
1968年 アメリカ

監督:ジョン・カサヴェテス John Cassavetes
主演:ジーナ・ローランズ Gena Rowlands


アメリカの映画でありながら、全くアメリカ的でない映画である。
正確に言うならば、ハリウッド的でない映画である。
この映画はインディーの映画なので、ハリウッドのような映画とは全く違う。編集期間になんと3年も費やしたという事実からも、ハリウッドの主流からは一戦を画している事は窺える。

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映画の題名通り、『フェイシズ」は、顔を描いていく。それぞれの顔を断片的に映していく。
顔は、各々異なる。それと同じく、各々、考えている事や、感じている事は違う。たとえ、同じ時間と空間を共有していたとしても。夫婦や友人であったとしても。
その、一人一人の違い、つまり、孤独を徹頭徹尾追求した映画、それが『フェイシズ』である。

人間は、結局わかりあえない、という命題を見事に描ききってしまった、大傑作である。

『EUREKA』『サッド ヴァケイション』などを監督した、DVD付録の解説の中で青山真治は言う。少し引用してみよう。

まったくの素人たちの手で作られた『アメリカの影』(59)での衝撃的なデビューの後、メジャーの依頼による二つの作品を経て、もう一度インディーに戻って出直したカサヴェテス「二度目の処女作」ともいうべき作品が、『フェイシズ』(68)である。撮影ののち数年間の編集期間を経るという、独特の時間のかけ方を含めて『フェイシズ』は、その後のカサヴェテスの個性が大方出そろっていて、文字通りの彼の原点となる。生々しい、というにはあまりに凄絶な姿で現れるそれらの個性が、本作の最大の魅力といっていい。

彼らは現実に生きる我々と同じように会話し、わかりあい、あるいはわかりあわず、感情を露にする。普通なら取るに足りないものとして切り捨てることを決して切り捨てず、むしろその中に隠れた情動を核とし、その周辺に作品を築き上げる。

青山真治は、カサヴェテスに、そして『フェイシズ』に賛辞を惜しまない。



本当に、傑作としか言いようがない。
未見の方は是非見て欲しい。


フェイシズ [DVD]フェイシズ [DVD]
(2002/05/24)
ジョン・マーリージーナ・ローランズ



ただ、困った事にレンタルされていない
より多くの人に見て欲しいのに、レンタルでないというのは、なんとも嘆かわしい。

『フェイシズ』は、既に廃盤
amazonでは高額になるので、yahooオークションが安いみたいです。この版は、青山真治の秀逸な解説が付いているやつです。

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バスター・キートン『キートンの蒸気船』 

『キートンの蒸気船』または、『キートンの船長』 Steamboat Bill Jr.
1928年 アメリカ

監督 チャールズ・ライズナー / バスター・キートン
主演 バスター・キートン

まずは、最近のCMを見てもらいたい。


福山雅治が出演する、キューピー ハーフCMだ。
なんともスタイリッシュな、キューピーのCMである。
福山雅治に対して、家の壁が倒れて来るのだが、窓の部分に穴があり、丁度そこを通り抜ける場所に立っているために、福山雅治は何の被害がない。さすが、福山雅治と拍手を送りたい出来事である。

しかし、全く同じ出来事を経験した人物がいる。それも80年も前に。
それがバスター・キートンである。バスター・キートンは、チャップリン、ハロルド・ロイドと並び三大喜劇王と呼ばれる人物だ。バスター・キートンについては、以前の記事のこちらを参照してほしい。

結局、このキューピーの福山雅治のCMは、キートン監督・主演の『キートンの蒸気船』のパロディーなのである。

キートンの蒸気船 [DVD] FRT-304キートンの蒸気船 [DVD] FRT-304
(2008/05/25)
バスター・キートンアーネスト・トレンス



であるならば、本家の映像を見て比べて欲しい。

全く一緒と言って良い。福山のキューピーCMが白黒なのは、このためなのだ。


『キートンの蒸気船』の中でキートンは、相変わらずの無表情のままで、壮絶な、アクロバティックなアクションをこなす。

この『キートンの蒸気船』という映画は、もはや物語の筋など、どうでも良い。ただただアクション。そして、そのアクションが生み出す笑い。あるいは、現代の観客が見るとCGなしワイヤーなしのため、笑いよりも感嘆を覚えることであろう。

見ていない現代の人は、ただ、「すっげぇー」とつぶやくしかない、そんな作品である。

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イーストウッド『グラン・トリノ』 

 『グラン・トリノ』 GRAN TORINO
監督:クリント・イーストウッド Clint Eastwood

クリント・イーストウッドはアメリカ的だ。彼は、アメリカ映画の、ハリウッドの象徴である。同時に、イーストウッドはハリウッドの異端児でもある。それは、彼の経歴が物語っている。
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TVドラマ『ローハイド』で頭角を現し、その後『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』というセルジオ・レオーネの作品に出演しスターとなる、西部劇で名を馳せた俳優だからである。まさにアメリカ的な映画ジャンルの西部劇のスターなのだ。
eastwood.jpg

と同時に第65回アカデミー賞監督賞、作品賞を受賞した『許されざる者』で西部劇に革新をもたらした異端児なのだ。だからイーストウッドは、アメリカ映画の象徴であり異端児なのだ。この辺りの話はユリイカ5月号のイーストウッド特集で、よくわかる。

ユリイカ2009年5月号 特集=クリント・イーストウッドユリイカ2009年5月号 特集=クリント・イーストウッド
(2009/04/27)
不明



『グラン・トリノ』も、アメリカ的映画である。アメリカ固有の問題が焦点となっている。それは、人種と家族である。アメリカは、新大陸に移民が集まって成立した国家という歴史を持つ。その歴史が現在の人種問題へと繋がっている。もうひとつは、経済性、合理性を求めた歴史のあげくの、家族の崩壊という問題だ。二つの問題とも、アメリカの歴史が生んだ、現在の問題である。
そして、問題がアメリカ的であるならば、その解決もである。
映画GranTorino


『グラン・トリノ』は、イーストウッドが監督と主演をつとめた。本国アメリカでは、興行収入1億1千万ドルを突破し、本人の作品で過去最高となる興行成績を達成した。この事実の偉大な理由は、78才になって、過去最高となったことである。普通の監督や俳優たちは、老いぼれて引退しているか、人気はとうに消え失せているにも関わらず映画界にしがみつき醜態をさらしている年齢である。そう考えると『グラン・トリノ』は偉業としか言いようがない。

題名になっているグラン・トリノとは、フォード社の車の種類のこと。クラシックカー。
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『グラン・トリノ』の予告編です。

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